名実ともにワイン大国として君臨しているのがフランスです。年間の生産量は6500万ヘクトリットルで、毎年、イタリアと1位、2位の座を争っています。
フランスにブドウ栽培がもたらされたのは紀元前600年ごろで、その後、ローマ人の手によって各地に広げられました。
ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュなどの著名な産地では、世界中のワイン新興国が手本とする偉大なワインを生み出し、今なお追随を許しません。また、ロワールやアルザスでも産地固有の特徴をもったワインが造られ、近年は、南部のローヌ渓谷やプロヴァンスのワインに注目が集まっています。つねにワインの世界をリードしているのがフランスといえるでしょう。
フランスワインはINAO(国立原産地呼称統制機関)によってその等級が厳しく定められ、ヴァン・ド・ターブル、ヴァン・ド・ペイ、VDQS、AOCに分かれています。最も規制の緩いヴァン・ド・ターブルは、フランス人が水代わりに飲む低廉なワインで、日本にはほとんど輸入されていません。ヴァン・ド・ペイは南フランスのヴァン・ド・ペイ・ドックが最も有名で、近年、品種名表示のヴァン・ド・セパージュを中心に人気が高まっています。VDQSは年々、より上位のAOCに格上げされています。産地の個性ともいえるテロワールを、最も重視しているのがフランスのワイン造りです。
|